私たちの恋風は、春を告げる



次の日は大事をとって学校は休んだけど…

そのまた次の日に学校に行ったら、美波がまた泣きそうな顔をしながら思いっきり抱きついてきた。

『咲茉、ほんとに大丈夫だったの?』って、何回も聞くから、『もう全然大丈夫!』って、私は答えた。

保健室の先生が言ってたのは実は嘘なんじゃないかってくらい、冬紀はいつも通りで。


そこから10日間は、本当に今まで通りの生活だった。


冬紀と朝一緒に学校に行って、美波と他愛のない会話をして、また冬紀と帰る。


そんな当たり前の日常を気ままに過ごせるのがこれで最後になるなんて、私はまったく思ってもいなかった。