私たちの恋風は、春を告げる



「深山さんのこと、すごい心配してたわ。クラスの子たち。特に桐原さん、すごく泣いてたわよ」

「……美波が?」

泣きじゃくる美波を想像して、私はなんだかくすっと笑ってしまった。

美波にはすごい心配かけちゃったな…

「それと……片岡くん、だったかしら」

「え……」

「彼、あなたが目を覚ますまでここにいますって、全然聞かないのよ。大丈夫だから授業に戻りなさいって言っても、なかなか頷かなくて」

先生の意外な言葉に、私はぽかんとしてしまった。


冬紀、心配してくれたのかな…