私たちの恋風は、春を告げる




思い出したくないくらいの、痛みだった。

「ねえ深山さん、今までにも今日みたいな頭痛になったことは?」

「……いえ」

「…そう。なおさら心配ね…。あ、さっき担任の先生が、保護者の方に連絡したわ。もうすぐお母様がいらっしゃるそうよ」

「……いろいろお騒がせしてすいません」

「いいのよ。まだ時間はあるし、ちゃんと休みなさい。さっき担任の先生が深山さんのカバンと荷物持ってきてくれたけど、そこにまとめて置いてあるから」

「ありがとうございます」

私がお礼を言うと、保健室の先生は小さく笑った。

カーテンを閉めようとした先生は、何かを思い出したように動きを止める。