私たちの恋風は、春を告げる



「おはよう…」

「あら、今日は随分ギリギリじゃない。受験生は大変ね…って咲茉、あんたなんか顔色悪くない?」

「……そう?自分じゃあんまりわかんないけど」

「熱無いわよね?」

お母さんの手が、おでこに当てられる。

そんなことされるのは小学生ぶりだったから、何だか恥ずかしかった。

「もう、やめてよ。全然平気だよ?」

食欲だって全くないとか無いし。

「そう、ならいいけど…」