私たちの恋風は、春を告げる



やっぱり、冬紀もそう思う……?

そう言いたかったけど、私が口にしたのは違う言葉。

「そんなことないよ。全然、いつも通り!」

普通に、言えたよね…?

声震えてるの、気づかれてないよね…?

ココアの粉を入れたカップに、お湯を注いでいく。

「お待たせ!私お手製の、ココ、ア……」

ガシャン!と、私の声をかき消すような音が、リビング中に響いた。