私たちの恋風は、春を告げる



なんだか、胸がざわざわし始めてくる。

「ちょっと休憩しよう?私の飲み込みが悪いせいで、冬紀も疲れたでしょ?ほんっとにごめん!」

そんなざわめきをかき消そうと、私は椅子から立ち上がって、何とか笑顔を作る。

「今ココア淹れるね!」

そのまま、キッチンに逃げるように向かった。

冬紀の視線を背中に感じたけど、振り向かないまま。

「……お前、なんか今日変だぞ」


その一言に、私はぴくりと動きを止めた。