私たちの恋風は、春を告げる



「いいか、もう一回説明するから、ちゃんと聞いてろよ」

そんな私に、冬紀は文句を言いながらも根気強く教えてくれる。

「……できた」

やっと1問解けて時計を見れば、始めてから30分以上が経っていた。

いつもなら、冬紀の教え方ってすごい上手だから、私でも15分くらいで解けるはずなのに。

今日はその倍以上の時間をかけて、やっと一問。

「これで終わった気になんなよ。次のページも範囲だからな」

「……え、そうだっけ?だって配られた範囲にはここまでって…」