私たちの恋風は、春を告げる



冬紀は12月生まれで、私は3月生まれ。

冬紀も一応、私の誕生日には欠かさずプレゼントを用意してくれている。

14歳の誕生日の時は、学校帰りに『ん』ってただ一言、ぶっきらぼうに渡してくれたっけ。

でもあいつが選んでくれるものって、結構センス良いんだよねー…

15歳の誕生日も、ちょっぴり期待してたり……なんてね。

「ねえ咲茉」

「んー?」

美波に呼ばれ、私はそちらに顔を向ける。