私たちの恋風は、春を告げる



「ったく、やっぱりぼんやりしてんじゃねーか。そんなんだから体育でもすっ転ぶんだろ」

「た、ちがっ、今のは冬紀が!」

「ばーか」

「え……痛っ!」

繋いでいた手を離して、冬紀がおでこにデコピンを食らわせてきた。

私はおでこを抑えながら2、3歩後ろに下がる。

「おい、帰るぞ」

「えっ、あ、待ってよ」