私たちの恋風は、春を告げる


「…この指輪…」

「まだ、ちゃんとしたやつじゃないけど……この先ある楽しいことも、そうじゃないことも…咲茉と一緒に笑って、悩んで、乗り越えていきたい。何年も何十年先も、一緒にそうやって過ごしていきたい」

「……冬紀」

「今日みたいに、たくさんの場所に出かけよう。楽しい思い出を、一緒に作っていこう」

「…うん。特別なことじゃなくていい、毎日、一緒にいれるだけで、私十分だよ…」

一粒、涙がこぼれ落ちる。

指輪が太陽に反射してキラッと光った。

「私、冬紀にずっと車椅子押してもらうんじゃなくて、自分の足でどんなところにでも行けるようにもっとリハビリ頑張る。冬紀や美波とは学年違っちゃうけど、勉強も頑張って、高校も行く」

そう言うと、冬紀は小さく頷く。

「焦らなくていい。咲茉のペースで…少しずつでいい」

「うん。…冬紀、私と出会ってくれてありがとう」

「咲茉、愛してる」

そう言って冬紀が、甘いキスをしてくれた。


この先、楽しいことや嬉しいことだけじゃない。

悲しいことも辛いこともきっとたくさんある。

でも、大切な人たちが一緒なら大丈夫。きっと乗り越えていける。

ありきたりでも、何気ない瞬間でも、大切に生きていこう。



君との恋が運んできてくれた春を、この先、何年も何十年も一緒に生きていこうーーーー



〜fin〜