私たちの恋風は、春を告げる


(美波side)

咲茉が目を覚ましたと片岡から連絡があった後のことはよく覚えていない。

ただ、無我夢中で病院に向かったことだけはなんとなく記憶にあるぐらい。

咲茉が目を覚まして、3日目。

「咲茉、今日も来たよ」

学校帰りに咲茉の病院に来た私は、咲茉に声をかけた。

ゆっくりこちらを見た咲茉が、微かに微笑む。

目を覚ましたばかりの日はまだ私たちが声をかけても、誰かよくわかっていない様子で、呼びかければ見向きはするけど、あまり反応は見られなかった。

でも3日という時間が過ぎていく中で少しずつではあるけど、咲茉の笑顔が見られるようになった。

咲茉はまだ言葉を発さないけど、こちらの問いかけに何かしらの反応を示してくれる。

そんな咲茉が私の全身を見渡して、最後に目が合うとにっこりと笑った。

……なんだろう?

私は自分の全身を見下ろして、もしかして…と考える。

「…この制服?」