私たちの恋風は、春を告げる


……そうだ。呼ばれているのは、私の名前…

でも、呼んでいるのは誰…?

すごく懐かしくて、泣きそうになるその声に、無意識に戻らなきゃ……そんな思いが湧き出てきた。

どこに、そして誰の元になんてわからない。

ただ名前を呼んでくれる人のところに戻らなきゃ…

暗闇の中に、微かな灯りが揺らいで見える。

私の足が、自然とその光を追って、走り出した。



重たい瞼を、ゆっくりと持ち上げる。

眩しすぎるくらいの白い光が、視界いっぱいに広がった。

何度か瞬きを繰り返す。