私たちの恋風は、春を告げる


「私少し売店に行ってくるけど、咲茉のこと見ててもらってもいいかしら」

「はい」

俺はおばさんの背中を見送って、近くにある椅子に腰掛けた。

棚に手を伸ばして、桜の花を手に取る。

「…咲茉、これさっき病院の前で拾ったんだ。春になると、毎年楽しそうに桜見てたよな」

咲茉の手に自分の手を重ねて語りかける。

「この間入学式があってさ、俺高校生になったけど…やっぱりお前がいないとすっげーつまんない。俺お前とずっと一緒にいたくて、お前の第一希望の学校受けたんだ」

自分で言って、どこか照れくさい。

俺はすこし困ったように笑いながら咲茉に言う。