私たちの恋風は、春を告げる


(美波side)

私の大好きな、可愛らしい癖のある、咲茉の字。

咲茉にぴったりな、桜色の封筒に入っていた手紙を、少し震える指先で開く。

『美波へ

急な手紙、 びっくりさせちゃったかな。こんなこと考えたくもないけど、美波に伝えたいこと伝えられなくなっちゃうかもしれないから、その時のために、美波に手紙を残します。

まず、あの時美波を傷つけることを言ってしまったこと、ずっと謝りたいと思ってた。』

予想もしていなかった言葉に、私は小さく息を吸い込む。

咲茉が謝る必要なんてない。

ずっと、私の方が謝るべきだったのに……

ちゃんと咲茉に会いに行けばよかった。

会って、ちゃんと言葉を交わすべきだった。

涙が溢れて、手の中の手紙に小さな涙の跡を作っていく。

『美波が色んな話をしてくれること、すごく楽しくて嬉しかったの。

学校に行けない分、美波の話で学校に行けた気分にもなれたんだよ。

それが、すごい楽しかった。

でも、楽しい分、早く治らなきゃとか、自分の中で勝手に焦っちゃって…

あんなに嫌だった勉強も、すごく恋しくなって…

楽しそうに毎日学校に行ってる美波が、すごく羨ましくなって…

ひどいこと言って、美波を傷つけた。

…ごめんね。

美波がくれる言葉、ひとつひとつに勇気をもらってた。
頑張ろうって思える力をくれたの。

本当にありがとう。


私、美波とは、ずっとずっと親友でいたい。

高校生になっても、美波と色んなとこに出掛けたいな。
一緒に美味しいもの食べて、楽しい思い出を作って…その時にしか出来ないことを、おもいっきり楽しみたい。

それが、今の目標。

みんなより少し遅れちゃうけど、ちゃんと追いつけるように頑張るから…


まだまだ書きたいことは尽きないけど、それは次、美波に会えた時に直接伝えるね。

だから、その時まで…またね 咲茉』