私たちの恋風は、春を告げる


『冬紀へ

冬紀に手紙を書くのはこれが初めてだね。だから今少し緊張しながら書いてます。

もう、二度と言葉を交わすことも、こうして文字を綴ることもできなくなるかもしれないから、ちゃんと自分の気持ちを伝えられるうちに残しておきたくて、手紙を書こうと決めました。』

力のない、筆圧の薄い文字だった。

多分、力の入らない手で、懸命に書いたのだろう。



『まず初めに、冬紀に謝りたいことがあります。

私、冬紀に嘘をつきました。

前に冬紀のこと幼なじみとしか見てない、なんて言ったけど、本当はそれ以上に冬紀のことが好きでした。

…でも、本当の気持ちを言うのが怖かった。だからどうしても言えなかった。

冬紀が気持ちを伝えてくれたとき、本当はすっごく嬉しかったんだよ。


冬紀が隣にいてくれると、弱い心も強くなれる。

何があっても大丈夫って、思える。

前に冬紀が言ってくれたように、冬紀のいない世界なんて、考えられない。


昔からからぶっきらぼうで口が悪いとこもあるけど、本当はすごくすごく優しい冬紀が、大好きです。

これは、私のわがままになっちゃうけど…

この先も、ずっとずっと、冬紀と一緒にいたい。

楽しいことも、悲しいことも、苦しいことも…一緒に乗り越えていきたい……


もうすぐ、春が来るね。

今まで当たり前に冬紀と見ていた桜、今年は一緒に見れるかな…

今まで当たり前に過ごしていた瞬間が、今はすごく恋しいです。

書きたいこと、まだまだいっぱいあるけど、これ以上長くなっちゃうと、永遠のお別れみたいになっちゃうから。

ここに書ききれなかったこと、ちゃんと自分の言葉で冬紀に伝えたい。

それが、どれくらい先になっちゃうかわからないけど、きっと伝えられるようになるから。

それまで、待っててくれると嬉しいです。

その時まで、またね。 咲茉 』