私たちの恋風は、春を告げる


その日が、ついに来た。

時間は朝の8時半。

お母さんに車椅子を押してもらいながら、私は手術室の前に来ていた。

「それじゃあ咲茉、お母さん、待ってるからね」

「うん」

お母さんの顔を見上げて、私は大きく頷いた。

そして、頭の中に冬紀や美波、希海ちゃんの顔を浮かべる。

きっと、大丈夫。

「それでは、お母様は病室の方でお待ちください。終わり次第、看護師が呼びに行きます」