私たちの恋風は、春を告げる


「………うん……ごめん……」

私の返事が聞こえたのかはわからない。

けど冬紀は自分の上着を私に着せて、車椅子を押してくれた。


病室に戻った私はベッドに横になる。

大きく、息をつく。

「……さっきはごめんね……」

天井を見たまま、私は小さく呟いた。

「もういい……」

冬紀が手のひらをを伸ばして、私の手をぎゅっと握ってくれた。