私たちの恋風は、春を告げる


外はすっかり暗くなっていた。

寒くて仕方がないはずなのに、なぜか寒さを感じない。

私は無心に車椅子を押して、屋上の真ん中まで来た。

そのまま、夜空を見上げる。

どこかに、希海ちゃんがいるかもしれない。

暖かくて、苦しみのない世界に、希海ちゃんはいるのかな…

希海ちゃんに会いたいーーー

私も、痛みも苦しみも、悲しみのない世界に行ってしまいたいーーー

車椅子を、屋上の端まで押していく。

そのまま、目の前に広がる夜の街を見つめた。