私たちの恋風は、春を告げる


次の日は、一面曇り空の暗い日だった。

久しぶりに制服を着て、私は車椅子のまま告別式の会場に来ていた。

まだ、希海ちゃんがいなくなったんて実感が湧かない。

というか、湧いてなんて欲しくない。

「……行きましょうか」

もの苦しい空気の中、お母さんは静かに言いながら、私の車椅子を押した。

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写真の中の希海ちゃんは、退院したときと同じ笑顔で笑っていた。

その写真と対面した私は、本当に、もう二度と希海ちゃんに会えないんだと悟った。

無邪気な声を上げ、太陽のような笑顔を浮かべていた希海ちゃんは、もういない。

ただ、暗闇に叩き落とされたように、体から力が抜けていくだけだった。