それから数日。

まだ気持ち的には不安定だけど、わりかし落ち着いてはいた。

まだ、自分がこれからどうするか、決めていない。

お母さんは時々病室には来るけど、一言二言会話をするだけ。

…そういえば、花瓶の水を変えに行ったまま、お母さんは中々帰ってこない。

なんだかわからない、嫌な予感が私の中に走る。

しばらくするとドアが開く音がして、私は寝ているふりをしようと目を閉じた。

コト、と花瓶の置く音がした。

「………咲茉、今さっきね、希海ちゃんのお母さんに会ったの」