私たちの恋風は、春を告げる



「先生、腫瘍が小さくならないと手術はできないって…じゃあ、腫瘍の大きさが変わってなかった場合、この子はどうなるんですか?抗がん剤以外にも、他の治療法で腫瘍小さくできるんですよね?」

「……お母さん」

あまりの取り乱し様に、私はお母さんを呼ぶ。

お母さんは青い顔をしながら、冷静にならなきゃいけないことを思い出したのか、気持ちを落ち着かせている様だった。

「もちろん、より強い効果の抗がん剤を使用して治療を継続することは可能です。ですが、より強い薬を使えば、副作用も強くなります。今の咲茉さんの体力でより強い抗がん剤を使うことは、命に関わります」


先生の言う通り、正直言って、私の体はもう限界だった。


体だけじゃなくて、精神的にも。

今の薬だって十分辛いのに、それ以上に苦しい副作用なんて、もう耐えられる自信なんかない。