私たちの恋風は、春を告げる



それ以上の気持ちはないなんて、本当は嘘だった。

本当は冬紀のことが大好きだった。

冬紀や美波に会えない時間を過ごして、親友の存在がどれだけ大切で尊いもので、冬紀のことがどれだけ好きなのか、気づくことができた。


でも、自分はいつここから出れるのかもわからない。


病気が、治らないかもしれない。


いつか、死んじゃうかもしれない。


先のわからない私のせいで、冬紀の時間を奪いたくない。


迷惑をかけたくない。