私たちの恋風は、春を告げる




ゆっくりと頭の部分が上がっていく。

冬紀はベッドサイドテーブルを、私の近くまで寄せた。

「これ、お前に渡したかったんだ」

冬紀が箱から取り出したのは、スノードームだった。

逆さまにしてもう一度戻すと、ガラスの中で白い雪が舞い落ちていく。

「……きれい」

私はガラスの中をゆっくりと落ちていく白い雪を見て、私は小さく微笑んだ。

その雪も、しばらくすると全て降り止んでしまった。