私たちの恋風は、春を告げる



薬の副作用で、強い眠気に襲われて長い時間眠ってしまっていたらしい。

気を失うも同然で寝ちゃったから、寝る前の記憶が曖昧。

体はだるいけど、少しずつ目は冴えてきた。

「……今日はどうしたの?」

「お前に渡そうと思って持ってきた」


……何だろう?

「…ごめん、体だるくて動けないの。そこにスイッチあるから、押してくれる?ベッドの頭の部分、持ち上がるから…」

ベッドを動かすスイッチまで手が届かなくて、冬紀にボタンを押してもらった。