私たちの恋風は、春を告げる



しばらく勉強をしているとノック音がした。

「咲茉、いるー?」

美波の声がした。

今日も来てくれたらしい。

あれから美波は結構な頻度で訪れてくれていた。

美波はお見舞いにくるたびに学校であった楽しいことを話してくれる。

「…美波」

「あ…勉強中だった?ごめん、邪魔しちゃって」

「ううん、全然平気だよ。私もちょっとひと休みしようとしてたとこだから」