私たちの恋風は、春を告げる



すっかり暗くなった外の世界に目をやる。

外はぽつりぽつりと、雪じゃなくて雨が降っているようだった。


空が、泣いてるみたい……

私はベッドから降りて、窓から見える景色を見つめた。

今まで気づかなかったけど、夜に見る景色ってこんな感じだったんだ……

窓に触れる指先が凍えそうなくらい冷たい。



早く、こんな狭い世界から抜け出したい。


美波や冬紀のように、学校に戻りたい。



目の前に広がる暗闇をぼんやりと見つめながら、私はそんなことを思っていた。