私たちの恋風は、春を告げる



「どうぞ」

そう声をかけると、ドアが開いて入ってきた人影ーー。

「……冬紀」

学校帰りなのか、制服での登場だった。

「あんなに来なくていいって言ったの、に……」

黙ったままの冬紀の後ろから姿を見せたもうひとりに、私は言葉を失った。


「………咲茉、なの?」

掠れた声が、かすかに聞こえた。