「やめてよ、冬紀と私はそんなんじゃなくて、ただの幼なじみなんだから」 美波に苦笑いを返す。 「…ふーん。ただの幼なじみね。なんかちょっと、片岡が可哀想な気もしてきた」 相変わらずヘッドホンで曲を聴く冬紀を、美波はちらっと盗み見る。 美波が何か言ったけど、最後の方がよく聞き取れなかった。 「ごめん、今冬紀が何…って言ったの?よく聞こえなかった」 「えっ、あ、なんでもないなんでもない!」 明らかに動揺して、何かを隠してる美波。