私たちの恋風は、春を告げる



「……あ!お姉ちゃん!」


呆然と立ち尽くしていた私に気づいた希海ちゃんが、こちらに近づいて来る。


「希海ね、自分じゃ手が届かなくてね、今お兄ちゃんに取ってもらったの……お姉ちゃん?」


しばらく茫然自失していた私は、希海ちゃんの呼びかけにはっとした。


「………あ、そうなんだ…よかったね」


向こうもこちらに気づいたのか、目を見開いて固まっていた。


「うん!ママ待ってるから、希海行くね!またお姉ちゃんのお部屋遊び行ってもいい?」


「あ……うん、もちろん!…気をつけて戻るんだよ」


「うん!バイバイ!」