聖なる夜に贈り物


そして私は純の後ろ姿を見ながら、あることに気づく。

それは私がここにくるまで心の真ん中にぽっかり空いていた穴に膜が張っていること。


それはきっと──純の優しさのお陰だ。

優しさの膜に包まれたこの心は、雪が止む頃にはほんの少しだけ強くなって前を向ける、そんな気がした。

じゃあ、私の純への想いは──?

神様にそう聞かれてもきっとその答えは今夜中には出ないだろう。


けれど、今夜はクリスマスイブ。

サンタさんから私へのクリスマスプレゼントは、私のためにコーヒーを淹れてくれている目の前の彼なのかもしれない、なんて思った。





2024.12.24遊野煌