一週間後

選考会の日、お店に行き材料の準備をしようとすると桃がない…


「桃の発注をしてあったと思うのですが、どちらにありますか?」

店長「キャンセルされていたわよ」

「してないです…」

「そうなの?!困ったわね〜今回はあるもので作ってちょうだい」

……

誰かに桃の発注を取り消された。

店長は、私がいじめられていることに気づいているが、ケーキのこと以外興味がない

「先輩〜早く作らないと間に合わないですよ〜」
「先輩が後輩に負けるのはやばいですよ〜」
「友達も先輩のケーキ楽しみにしていると思います」
「そんなこと言ったらダメだよ、友達がいないかもしれないしょ」
「そうだね、ごめんなさい」

ずっと笑って話している三人を無視し、代用できるものを探すが見つからず、チーズタルトを作った。

それから選考会が始まったがハルトさんは来てくれず、サクラは仕事で来れなかった。

ハルトさんは忙しいから仕方ないよね

他のケーキは無くなりつつあるが、店長以外私のケーキは食べてくれずに残っている

どうしよう泣きそうだ…

「ごめん、遅れた」

後ろを振り向くとハルトさんだ

女性達が一度にハルトさんに目線をむける

確かに、高身長でかっこいい

「桃タルトはやめたの?」

「……」

下を向いてしまう

「めっちゃかっこいいですね、私のケーキ食べてください」

「ありがとうございます、でもホナミちゃんのケーキ以外興味ないので」

ハルトさんの周りに女性が集まりケーキを勧めているが全て断り私のケーキを食べてくれる

「美味しい」

今ハルトさんと顔を合わせると泣いてしまいそうで、下を向いてお辞儀をした

「一緒に帰ろう」

「えっ」

上を向くも涙が溢れてしまい、ハルトさんが手で拭いてくれる

ハルト「体調悪いみたいなので帰ります。」


チーズタルトを箱に詰めて、私の手を引っ張りお店から出て車の助手席にのる

「頑張ったね」

「ヴィ……っ」

我慢できずに号泣してしまい、泣き止むまでずっと背中をさすってくれている

「少し休んで、これからのことは一緒に考えよう。無理してここで働く必要はないし俺がずっとそばにいるから1人ではないよ」

「……っ」

「辛いことがあったら我慢せずに言って」

「辛かっ……った…です」

「頑張った頑張った」

それから私達はお付き合いし、本格的に同棲することになった