その場から逃げるようにアパートに向かっていると車が一台私の横に止まった

車に興味がない私でも高そうな車だとわかる

運転席を見るとあの男性だ

助手席のサイドが開き運転席から話しかけくる

「送るから乗って」

「歩いて帰れます」

「お酒を呑んでいないのにフラフラになって歩いていて無理だろ。途中で倒れて救急車に運ばれて病院に連れて行かれるかもな」

確かに歩くのはもう限界だ

仕方なく後部座席に乗ろうとすると助手席にのるように言われ、乗りこむ


「体温測って」

体温計を渡される

「嫌」

「子供でも一人でできるぞ、それとも俺にはかってほしいか?」

「違う!」

「だったら早くしろ」

体温計を脇に挟み、住所を伝えると車で向かってくれている


「市販薬は持っているか?」

「はい」

ピピピ

体温計を脇からとりみると40度だ

えっ


「何度だった?」

「……」

信号が赤になり、車が止まると無理矢理体温計を取られた


「高いな」

「…」

「寄りたいところがあるから着くまで寝ていろ」

私は目を瞑るといつの間にか寝ていた