乙部さんと永田くんの緊張感漂う会話を黙って聞いていた私の名前が突然呼ばれる。
何がどうなって、桜辰トップの彗くんへこの大切な状況報告を任命されたのかわからない。
私を任命した乙部さんの笑顔を見れば、私に拒否権がないことはすぐに察しがつくのだが。
「彗さんは屋上で報告を待ってますので」
「え……でもそれって、乙部さんからの報告を待っているんじゃ……」
「その僕が榎本さんに報告をお願いしたということで、会いに行ってもらえませんか?この騒動が起こりはじめてから、彗さんは塞ぎがちというか屋上にいる時間が増える一方なんですよね。僕としては誰かが寄り添ってあげるべきだと思うんですけど、榎本さんしか思い浮かばなくて」
笑顔を浮かべたままの乙部さんだが、心配そうにそう言って「お願いします」と頭を下げた。
私でいいものかと戸惑っていると、永田くんと湯川くんがこちらへ向かって親指を立てる。
頼んだ!とでも言われているようで、背中を押された私は屋上を目指して駆け出していた。
何がどうなって、桜辰トップの彗くんへこの大切な状況報告を任命されたのかわからない。
私を任命した乙部さんの笑顔を見れば、私に拒否権がないことはすぐに察しがつくのだが。
「彗さんは屋上で報告を待ってますので」
「え……でもそれって、乙部さんからの報告を待っているんじゃ……」
「その僕が榎本さんに報告をお願いしたということで、会いに行ってもらえませんか?この騒動が起こりはじめてから、彗さんは塞ぎがちというか屋上にいる時間が増える一方なんですよね。僕としては誰かが寄り添ってあげるべきだと思うんですけど、榎本さんしか思い浮かばなくて」
笑顔を浮かべたままの乙部さんだが、心配そうにそう言って「お願いします」と頭を下げた。
私でいいものかと戸惑っていると、永田くんと湯川くんがこちらへ向かって親指を立てる。
頼んだ!とでも言われているようで、背中を押された私は屋上を目指して駆け出していた。



