「永田くん強いよね!でも乙部さんや彗くんには弱いよね!」
上げて落とした湯川くんの頭を、永田くんはすかさず叩く。
確かに。彗くんに一年のトップを言い渡されたのは成り行きみたいだったのに“実力です”とばかりに永田くんはケンカをしても負け知らずのようだ。
そして湯川くんの言葉どおり、乙部さんと彗くんには逆らえないらしい。
「そのうち勝つし」
そう言って、永田くんは私が開いたお弁当箱の中のからあげをつまみ食いした。瞬殺である。
私がお弁当を開かずともからあげの場所を知っていたかのような素早さだった。
「あー!また私の……!」
「美味い。きのうの玉子焼きも美味かったけど。紗宇、自分で弁当作ってんの?」
「……そう見える?」
「無理だな」
からあげ同様に永田くんに瞬殺された私は、女子力が足りていないようだ。
からあげが空いたお弁当のスペースをじっと見つめてしょぼくれていると、ふと視界に現れたミニハンバーグでそのスペースが埋められた。
顔を上げれば湯川くんがにっこり笑っている。
彼のお弁当からのお裾分けだ。
「料理が出来ても出来なくても紗宇ちゃんはかわいいよ」
上げて落とした湯川くんの頭を、永田くんはすかさず叩く。
確かに。彗くんに一年のトップを言い渡されたのは成り行きみたいだったのに“実力です”とばかりに永田くんはケンカをしても負け知らずのようだ。
そして湯川くんの言葉どおり、乙部さんと彗くんには逆らえないらしい。
「そのうち勝つし」
そう言って、永田くんは私が開いたお弁当箱の中のからあげをつまみ食いした。瞬殺である。
私がお弁当を開かずともからあげの場所を知っていたかのような素早さだった。
「あー!また私の……!」
「美味い。きのうの玉子焼きも美味かったけど。紗宇、自分で弁当作ってんの?」
「……そう見える?」
「無理だな」
からあげ同様に永田くんに瞬殺された私は、女子力が足りていないようだ。
からあげが空いたお弁当のスペースをじっと見つめてしょぼくれていると、ふと視界に現れたミニハンバーグでそのスペースが埋められた。
顔を上げれば湯川くんがにっこり笑っている。
彼のお弁当からのお裾分けだ。
「料理が出来ても出来なくても紗宇ちゃんはかわいいよ」



