Secret Love 〜カリスマ美容師は幼なじみの年下アイドルを溺愛する〜

「桔平くんがスケジュール調整してくれたの?」
「午前中は仕事してきたよ、じゃなかったら乙葉を迎えにくるだろ?」
「そっか…」

本当は夜に店のスタイリストにメイクを教える予定だったが桔平が明日に回してくれていたのだ。

明日の店の閉店後になり終わりが遅くなるがそれは仕方ないし、乙葉との時間は貴重だから桔平もわかっている。

これは特に乙葉には言わなくてもいい事だしな…

「爽平くんは忙しいもんね」
「乙葉だって勉強大変だろ?」
「まあ…」

「今のつぼみ組はみんな頭いいからね、パパが学業優先させるから」とママが言った。
「僕は社長の考えはいいと思いますよ、桔平見てたら大学もいいなと思うし、まあ自分が選んだ道なんで…」
「爽平くんは美容の腕も社長としても立派だよ」

乙葉はニコニコしながら爽平を褒める。

「親はねどんな仕事でもちゃんとやってくれるのが安心するのよ、真綾(まあや)は決まったの?」
「うん、銀行」
「さすがね」
「親や僕を見てきたから企業がいいみたいで、真綾は桔平よりかなー」
「桔平も商社に勤めてたのに爽平がフリーになったらあっさり辞めたじゃない(笑)」
「まあ、商社ほどの給料は渡せないけど気は楽らしい」

チン!とオーブンの音がキッチンからするとママは立ち上がって夕食の支度を始めた。
ダイニングテーブルに座るとサラダとラザニアを出してくれた。

「ママさんのラザニア、久しぶりだ」
「爽平くんの好物よねー」
「うん、うちの食卓には出たことがないからな、マジで美味い」

いただきますと言って熱々のラザニアを口に入れる。