Secret Love 〜カリスマ美容師は幼なじみの年下アイドルを溺愛する〜

爽平の店は個室が5部屋設置されていて、裏口にはフリー美容師のスタッフルームとトイレ、あと社長室がある。

裏から店舗に行けるドアはあるが店舗からは開かないホテルの部屋のような自動で鍵が閉まるドアを取り付けている。

裏口から入れるのは決まったヘアスタイリストとそのお客様のみ。

各個室には監視カメラが付いていて、見れるのは社長室のみ、ちなみに乙葉の入っている時間はカメラを止めている。
CEOならではの職権乱用だった。

爽平が戻ってきて乙葉と社長室に入った。
「またね、桔平くん」
「終わった?またな、ライブ頑張れよ」

「うん!爽平くんの予定開けてくれてありがとうね」
「乙葉の為なら(笑)、爽平メシは?」
「乙葉ん家で食べる、真綾に言っといて」
「わかった」

「じゃあ桔平、戸締まり頼んだ」
「了解」
乙葉は手をバイバイと可愛く振ると桔平も手を振った。
車に乗り乙葉の家に向かう。
「爽平くん、次はいつ会える?」
「今週末のライブにスタッフで入るよ」
「本当に!?」
「うん、怜央(れお)と亜美(あみ)の3人だな」
「やったー、頑張ろっと!」

無邪気に笑う乙葉は本当に可愛くて、自分の気持ちを素直に言えるのも爽平にとっては乙葉の好きな所だ。

高級住宅地が並ぶ一軒家の門が開いていて爽平の車が入るとゆっくりと閉まった。

「ただいまー」
「お邪魔します」

2人はいつものようにリビングに入る。

「お帰り、乙葉、爽平」
「ただいま」

月曜日はNUAGE (ニュアージュ)の店は休みだが桔平は会社員なので土日祝の休みの体制を取っている。
もちろん爽平も基本休みだがフリーはそうはいっていられない、撮影や、番組収録などでとても忙しいのだ。