1月終わりのミス日本に真綾はグランプリに選ばれた。
仕事をオフにしてもらっていた怜央は真綾には内緒で会場の隅の方で見ていた。
受賞の時にすでに泣いていたが挨拶終わりに怜央の姿を見つけると号泣した。
会場の外で出てくるのを待っていた怜央を見つけると子供の様に泣きじゃくった。
「ミス日本だろ、綺麗に泣けよ(笑)」
「だって…来てくれると思わなくて」
怜央に抱きついて中々離れない…
「歩けないだろ」
「じゃあ、腕組んでもいい?」
「いいよ、ご褒美だ(笑)」
真綾が手を回し怜央を見ると
「真綾、頑張ったな、おめでとう」
「うん…うん」と涙を我慢している。
怜央は真綾にキスをした。
2人は真綾のマンションに帰ってきた。
マンションには爽平と桔平夫婦、真綾の両親がたくさんの料理を用意して待っていてくれた。
怜央は両親に挨拶をして、結婚も視野に入れてお付き合いをさせてもらいますと言ったのだった。
「怜央が弟になる日がくるのが不思議な気分だな」
桔平が肩を組んできた。
「こっちこそ、有名アナウンサーが同じ部屋にいるってびっくりなんですけど」
まあインスタライブで年上好きってこういう事かと思ったと笑顔で話した。
2月になり少し落ち着いてきたが卒業式の予約が入り始めている。
社長室では桔平が悩みを打ち明けた。
「なぁ爽平」
「ん?」
「着付けに参入してから着付けのパートを雇っただろ?」
「あぁ、まあ忙しさにムラがあるから契約だけどな」
「スタッフの数が多すぎて俺は猫の手も借りたいんだが」
事務は桔平1人しかいない。
やることはたくさんあるだろう。



