しばらくすると"川野らしい"短い返事が返ってきた。
私はここぞとばかりに続けて聞いた。
「そういえば今度玲乃とイルミ見に行くんだって?結構前から気になってたんだけど、ぶっちゃけ玲乃のことどう思ってるの?」
「好き、かな」
やっぱり驚かなかった。
でも、聞いてから少し後悔した。
ずっとずっと、本当は気づいていたんだと思う。
いつも自分の視界に川野がいたこと。
川野に話しかけられると嬉しかったこと。
クラスの子に「川野とつき合ってるの?」って勘違いされるたびに少しくすぐったい気持ちになったこと。
でも、もうそれも全部おしまいだ。
川野は玲乃のものなんだから。
「誕生日プレゼントさ、玲乃に何あげればいいと思う?」
川野からのLINEに思わずそんなの自分で考えろよって言いたくなったけど、言えずになんてことない返事をする。
「ハンドクリームとかどう??玲乃好きそう!」
このハンドクリーム、頼にもらったの!って嬉しそうに笑う玲乃が簡単に想像できた。
「確かにね、個人的には入浴剤系も気になってて」
