私と川野は去年から同じクラスで、私たちの高校では2年から3年にかけてクラス替えがないため実質3年間同じクラスということになる。
川野はサッカー部、私はそのマネージャー。
同じクラスかつ同じ部活ということもあってか、
去年から割と仲が良かった方だと思う。
古谷玲乃とは今年から同じクラスになった。出席番号が近くてよく話していたら、いつの間にかクラスではいつも一緒にいるようになっていた。玲乃の第一印象はとにかく人懐っこい。仲良くなってからもそれは変わらなくて、やっぱり愛嬌があって、しかも真面目でしごできな一面ももっていて、最強の女の子だった。私だったらすぐに爆発してしまいそうな仕事量を笑顔でこなしてしまうのだ。軽音部の部長もやっていて、ボーカルだから歌もギターも上手くて、本当に自慢の友達だ。
だから、応援したいと思った。絶対に幸せになって欲しいと思ったし、その手助けをしたいと思った。
心からそう思った、思ったはずなのに…。
玲乃に川野が好きだと打ち明けられてから、そのことがずっと頭から離れない。
なんでだろう、どこかでずっと心がモヤモヤしていて
真っ白な紙に黒いインクがじわじわと染みていくような、そんな嫌な感じが自分の中で広がっていく。
私は必死でその染みに気づかないフリをして、
川野にLINEした。
「玲乃の誕生日もうすぐだけどどうする?何かする??」
もともと3人で話している時に玲乃の誕生日にどうやってお祝いするか話していた。玲乃本人は遠慮していたけれど、友達としては何かしてあげたい。
