おばあちゃんに正式にぶたれてしまうのは。
「何で………何でなの、おばあちゃん!!」
おばあちゃんの目は赤くなっている。
それはどうしてか、分かんないけど。
やっぱり、意地悪をしてるって事じゃないってこと?
でも………どうして「理由」を話してくれないの?
それに………どうして、「ぬいぐるみ」を「私の為」っていうのなら捨ててくれないの?
もう………わけがわからないよ……。
「貴方がーーー」
おばあちゃんの息が上がる。
何かに対する怒りのようなものも見えて、抗うような葛藤が存在してる様にも思えた。
だけども、次の言葉を聞いた瞬間ーーー。
「貴方がーーーこのネックレスを捨てないというのならーーー私はこのネックレスを使って修先生を辞めさせるように校長に脅しをかけるわ!!!」
私の中の何かがプツリと切れた。
今まで、誰の物にもなりたくなかったから周りの人達を傷つけた私。
それは………私を通して傷ついてほしくなかったからこそ、守る為に着けていたそのネックレス。
でも……そのネックレスが今、誰かを傷つけるために利用されてしまった。
そう………全部には自分に責任があるんだろう。
でも………でも違うんだよ………おばあちゃん………私は、私はーーー!!!
「私は、このネックレスをつけていたのはーーー二人に私っていう存在から離れて幸せの学園生活を送って欲しかったから、ネックレスを付けていたの!!!それを………お、おばあちゃんは利用して、修先生に教師を辞めさせようって言うの、私、わ、私ーーーーゆ、許せない!!!」
自分でも恐ろしいくらい、大きな声が出た。
それは嘘偽りのない、心の叫び。
「純奈………そうだったの………。でも、おばあちゃんは………決心したの」


