百合ちゃんの目には涙が溢れ、溢れた。
ゆっくりとつねった頬を、離した。
鉄の味がする。
「………それに、やはり我はここまで零くんを傷つけた事は………許せない」
「………そう、だよね」
「友くんとの関係もそうだ。あんなひどい仕打ちをしといて………振り回すのは我でも……フォローできないよ」
「分かってる………やっと、本音を話してくれたね………うん。やっぱり、悪いのは………私が前に進まなかったから………か………」
百合ちゃんに、叱られた。
そこで腑に落ちた。
自分から、頼ろうとしないとーーーーやっぱり私は器用に生きられないって。
何故か、そう悟ったんだ。
でも………甘えるなんて………どうやって………?
「純君、僕達3人は友達であり、親友だ」
強く百合ちゃんが握り返す、その手は温かい。


