そして「修先生も私の物にならないように、私に尽くしてくれないようにする為」にペンダントをつけているんだ。
全ては二人が絶対に不幸にならないために。
本当は、零くんが私のことが物凄く好きなんだなって告白する前から知ってた。
私に対しての優しさや、ファンからの嫉妬から上手く守ってくれる不器用な愛も目に染みるほど私は目の当たりにしたのだ。
その時、告白する前までは私だって抵抗した。
「貴方とは一緒にいれない」と。
だが零くんは諦めずに、私のそばにずっといてくれてーーー嬉しかったけど………とっても怖かった。
近づきすぎて怖いとか、そんな些細な理由ではなく。
「こんないい人が、私の物になったらこの世から消えてしまうんじゃないか」って思うと物凄く身震いしたのだ。
でも………零くんはそれでも私に尽くすつもりでーー接してきてる。
これはもう、零くんと仮に付き合って「婚約」が出てきた瞬間に「この言葉」をぶつけて「悪女」になるしかないって。
修先生の事も同じだった。
修先生は前々から、私のことを気にかけてくれてーー病気で寝たきりのおばあちゃんを助けてくれた。
優しく私を慰めて、病気であるおばあちゃんを看病してくれて、ヤングケアラーにならないようにと施設に連絡もしてくれたんだ。
確かに、先生だったらそれくらい生徒を守るっていうのが仕事だってことは重々承知だ。
だけど、この学校の先生達はちょっと性格が悪い所があって……私みたいな事情を見つけた生徒を発見した否、避けてもらわれることが暫しあった。
そんな心が折れかけるのだけども、そんな偏見もなく手を貸してくれた修先生。


