Summer Love




「……そんなの、修っちの妄想かもしれないじゃん」



友香はブランケットを手にとって、体を隠す。



「なら……正直に言おう。俺はお前の事は恋愛対象にそもそも見れない。そのうえで聞こう。それでもお前は、俺に今から抱かれる覚悟はあるのか?」




ピリついた友香。




これは嘘ではない。



手を見ると、微かに震え唇がカチカチ鳴りだしたのは、素直な拒絶反応。



「少しくらい、好きな男に抱かれたらーーー父親の記憶から解放されるって信じてるのか?」




「そんな事……無い!!本当に、修っちの事が………す……好きなの!!」




「なら……どうして嫌がる?俺が好きじゃないっていうのも鼻につくだろうが、それ以前の問題だよな?思い出すんだろ?別に俺じゃなくても他の男に抱かれたとしてもお父さんとの忌まわしい記憶は消えない。もう………分かりきってるから、拒絶してんだろ?無理しないでくれよ……俺が見てて辛いし、どうしたらいいか分からん!!」




友香は押し黙る。



「お前……やっぱり、好きである俺に抱かれたとしても……お父さんにされた記憶を思い起こすのなら何の意味がある?もう……俺は……ずっと前から、知ってるんだ。やめてくれよ………辛いよ。正式に相手にされてないのが辛いんじゃない。自分を傷つけてまで、奮い立たせて、俺に近づいてくるお前が………見ていて痛々しいんだよ……。勘弁してくれ………。俺に構ったって、お前が傷ついた過去が消えるわけ無いんだ。傷を隠す為に、俺に構うのはよしてくれ!!……お前が、辛いだろ?」