「俺は……ただ、純奈がーーー俺にとってどんな存在なのかさえ理解できてないんだよ………」
俺にとって純奈は何者なのか。
それが分かれば、苦労はしない。
「それなら……もう友香とも距離を置いてくれ。あいつ、もう病んでるからさ………」
捨てぜりふを吐いた隼斗は、のらりくらりと風のように去ってゆく。
俺はの背中を追いかけることもなく、ただ立ち尽くす。
*
「友香?いるか?」
だが、そんな俺でも生徒の事を諦めるほど性格は捻くれていないわけで。
友香の扉を叩いてみるが、反応はなし。
だが、扉は空いていた。
隼斗が閉め忘れたのかもとは思ったのだが、友香が帰ってきてるってホテルないの人が言っていた。
ーーー俺がやって来ることを想定していたのか?
様々な思いが交錯したが、振り絞って扉を開ける。
廊下の先に、ベットに深くうつ伏せ状態に沈む友香がいた。
「修……ち?」
力なく倒れている彼女は、顔がリンゴのように赤い。
「………どうしてきたの?」
「お前こそ、どうして扉を開けてるんだ?」
「隼斗のためだよ……」
「嘘つけ。お前、隼斗のこと駒みたいに扱って都合のいいように振り回しているくせに」
「そんな事ない!!」
立ち上がろうとした瞬間、足元がふらついて毛布がはだける。
下着姿の友香が現れる。
「お前って奴は!!自己管理どうなってるんだ!!しっかりしろ!!」
「修っち……さっきの言葉……取り消してよ……」
よろけつつ、友香を支えようとした矢先。


