「え……?」
「あいつの父親、友香を今探しているらしいんだ」
「………でも……捕まったはずだろ?」
「それが………友香の母さんが釈放金を払って………外に出したんだ」
「……どうしてだ……」
「友香の母さんは………それでも友香の父さんの事を諦めきれなかったみたいなんだよ………友香の為に、貯めた大学進学のお金を使ってまで………あのクソ親父を野放しにしたんだ……」
驚愕の真実により、息が詰まる。
あいつに、そんな事情があったなんて………。
「……いつごろ、母さんがお金を?」
「一カ月前くらい………」
「どうして俺に、相談しなかった?」
「だってよ………友香が嫌がってたから……」
「そこが厄介なんだよ。アイツは……こんな事態になるなら、相談してくれれば乗ったのに……」
いたたまれない気持ちになり、たばこに火をつけた。
「一ヶ月前、丁度その事で友香と友香の母さんは喧嘩してーーー家出して俺の家に居候してるんだ……」


