「……おめでとう。図星だ」
「そんなに、純奈先輩が気になるの?」
「………複雑なんだよ。色んなことがあってな」
「私に……振り向いてくれないの?」
俺は押し黙る。
それは、可愛いからとかそういう理由ではない。
どういえばいいだろう。
「なぁ、もう一度聞くがどうして俺をつけてきてまで、追いかけてくるんだ?もっと他にお前には、お前なりの理由があるんだろ?」
友香はたじろいだ。
瞳を潤わせ、悲しげに微笑んだ。
「覚えてないんだね……そういう所ずるいよ……。無意識にそういうことしちゃうんだから………」
「何でそうなるんだ……言えよ。気まずいから」
「お父さんが捕まった時だよ」
俺は黙った。
「あの日、私は修っちに一生ついていこうって思ったんだ。許してよね」
「俺はあの時、助けるのが使命だっただけだ」
「それでもだよ」


