「もうっ……どこいったのよ!!」



散々走り回った。



けれど、女子が男子の後を追い越せのは目に見えてて。




「愛の力」ではどうしようも出来ないこと?






悔しいから居場所を推測したら、襟を掴まれ視界が揺れた。




「また、修先生と追いかけっこしてんじゃねぇーよ!!」




それは幼馴染の桜隼斗(さくら じゅんと)。



相変わらず汗臭いし、お節介で、下ネタ大好きなお馬鹿。



なんで、ここが分かったわけ?!




「修先生追いかけたって、ペチャパイ色気なしのくせに。


見初められられる見込みねぇーよ!!」




笑っている隼斗に回し蹴りを放った。




「痛って、何すんだ!!」


「私の恋は本気なの!!邪魔しないで!!」




隼斗はまた笑みを浮かべ、おどけはじめた。




「先生と生徒の恋愛なんて、うまくいくわけねぇーだろ!!」


アンタだってわけも分からず、何を偉そうに!!



「あきらめなければ、夢は叶うっていうし!!

邪魔しないで!!」


「お前って、それだからーーー」




隼斗と危うい龜裂が入ったみたいに。


あぁ……そういうこと?



やってきたのは、「あの件」に対しての嫌がらせってわけ?




「立ち位置を守るのに、努力してるのも邪魔するの?


隼斗は何してるか分かってーーー「分かってるよ!!」」