だって、いきなり常套句を挟んでくるような輩は変なやつに決まってるし、変に刺激を与えたくないからだ。
逆恨みされて変な噂を学校で流されるのも、肩身が狭いからな。
「えっと……わかりました。その時間ならいけます」
すると、バックヤードに待機していた母さんがものすごい勢いで首を横にする。
見ているだけだと思ったら、そこまで怪しんでそんなに拒絶するとは………。
このおばさまから、見えていないのが幸いだったな。
丁度いい。
俺も知りたいことが、山々だし。
どう転んでも、謎を知りたい。
俺はゆっくりと去っていくおばさまから目を離し、とりあえず仕事に専念した。
*


