涙を浮かべ、泣きじゃくる姿は確かに美しかった。
水色のビキニも相まって、傷もなくヒマワリの花が頭に飾られている姿は、紛れもなく美少女であることは変わりない。
でも………無理なものは無理だ。
「俺とお前は、先生と生徒だ」
切り捨てるように、吐き捨てた言葉に友香は固まった。
「俺に構うな。これは、先生としての忠告だ。邪魔をしたら、校長に対処してもらう。俺は本気だ。いいな?」
低く唸る姿を見て、友香は俺を嫌うかもしれない。
でも、もし好きだったとしても、同じ対応を取るだろう。
それはずっと昔から決められた、常識であり規則のようなものだ。
異論は認めない。
だがーーー突然としてまたもや頭痛が襲う。
立ってはいられない痛みだったゆえ、砂場に倒れ込んでしまった。
異変に気づいた友香が、俺を揺する。
朦朧とした意識の中、さっきの同僚が泣き叫ぶ姿を捕らえた。
ーーー「あの中には、子供、妻がいる!!離せ!!!」
燃え盛る炎の中、燃え上がったそれは……彼の家。
確か彼は同僚、楽しそうに俺に語りかけたアイツはーーー殺されたのだ。
自分の愛する家族を。
自分の☓☓に。
この記憶は、俺が事故に遭う前の記憶………。
新人の頃の記憶だ。
同僚と誓い合った、夢もそこにあったはず。
だが、思い出せない。
あの一瞬にして、俺の新人時代の記憶を奪い去った「あの交通事故」を思い出せば………全ては完璧なのに………。
そんなふうに思った時には、力尽きていた。
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