「……それを、埋めてあげるのがお前の仕事なんじゃないの?お前は逃げたんじゃないのか?」
「僕を捨てて、それでも、彼女は君を望んでたんだよ!!」
俺は黙ってしまった。
零のあまりの鬼気迫る、迫力に押されてしまったといったほうが的確だ。
「今日その事が、はっきり分かった。修先生をはっきり純奈が求めてるって事も。だからこそ、僕は修先生に嫉妬しているってのもある。でもその純奈の好意にきずかない鈍感さを自覚してこれ以上、純奈を傷つけないで!!」
「………そんな事、言われても………俺は教師だ……!!誰か個人の生徒の愛情を受け続ける権限はないんだぞ?」
気まずい空間が、流れる。
俺は、何か間違ったことを、言及しているのだろうか?
いや、そんなわけない。
教師ってのは、この世界で言うところの「アイドル」であるから都合のいいことしか生徒にしか言えない生きものでもある。
そういうもんなんだよ……零。
「だけど……純奈は修先生に告白しなかったはずだよ?」
片付けを再開していた矢先、穿いていたほうきがピタリと止まる。
「それはたぶんね、僕の予想だと……修先生に迷惑をかけたくなかったんだと思うんだ」
「迷惑……?」


